地縁的な近隣社会の身内的な感情が薄れた現代の都市では、たとえ近所の人でも木戸を通って内部の私的生活が見えやすい庭まで入れたくないことが多いだろう。そういうことを考えると、これからの都市住宅で注目したいのは、アメリカの庶民住宅でよく見かけるフロントポーチという仕掛けである。ポーチは柱廊を意味するポルチコを語源とする言葉である。屋根付きのテラスはカヴァードテラスとも呼ばれるが、その屋根を支える列柱が目立てばポーチになる。
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つまり建具の入る前の日本の広縁は一種のポーチとも言える。もっともポーチあるいはポルチコは、日本の広縁と違って建物の外周をぐるりと囲むのではなく、もともとは柱列で正面の威容を演出するために生まれた形式である。それが後に庭に面してもつくられるようになったので、玄関の前のポーチはとくにフロントポーチと呼ばれるようになった。