日本の住宅の近代化は、さまざまな柔軟性を結果的に否定しつつ進行したといえようが、なかでも公と私は第一に分化すべきものとされた。公私室型と称される住宅の出現はこのことをよく表わしている。私室部分に関する柔軟性(子供の成長に応じた分化を可能にするための可変性)はすでに求められ、一部で実現もされている。しかし、公私の間の柔軟性は求められてこなかった。いちはやく、住み方の個性や、時間的変化への順応を求めた順応型住宅の提案においても、基本的に公私は分離されている。
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そのような考え方を受けて、現代の住宅では、一戸建では一階と二階に、集合住宅では水まわりを挟んで南北に、公私を隔離しているものが多い。しかしながら、部分的にはこの原則の崩れているところがあり、それは第一に存続する和室の役割と重なっている。都市郊外に建つ典型的な一戸建住宅には、一階に、ひとつの和室が設けられる。この和室には、居間に開放的につながるものと、玄関脇に独立しているものとがあり、これによってその性格が異なっている。