“中曽根民活”が登場、信託業界だけが扱うことのできる土地信託が、民活の柱の一つとなることを発見、信託業界は政府・自民党と二人三脚のかたちで、土地信託への道を突っ走ったのが、真相といえるだろう。信託業界にとって、今までの金銭信託は、信託本来の業務とはむしろほど遠く、単なる銀行業務の延長に過ぎなかった。欧米では、債券や不動産の信託が主流になっており、信託銀行が、カネよりモノの信託に向かうのは、本来の信託業務に専念することである。
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そして、都市銀行に比べると、信託銀行には不動産業務のノウハウがあり、自らの生き残りを賭けて、信託銀行各社が乗り出したのが、土地信託であったのだ。昭和六十一年四月十六日に開かれた第六一回信託大会で、信託協会の桜井修会長(住友信託銀行社長)は、「新たに外国系信託銀行が加入し、国際的責務が高まるとともに、高齢化社会への対応が急がれている中、信託業界は、とくに土地信託制度の普及に力を入れ、民間活力で内需拡大と社会資本の整備に貢献していきたい」とあいさつ、土地信託が信託業界の最重点施策であることを強調したのである。