昇給カーブのあり方も大きく変わることになるだろう。これまでの年功的賃金管理の下で、昇給は長い雇用期間における長期の収支を一致させる形で行われてきた。働き盛りの賃金は比較的抑えるかわりに年配になって賃金を高めにすることで定着を促進したのである。そしてそのような昇給カーブは、作業チームで共通の体験を積みながら組織で情報を共有し、蓄積し、それによって品質と生産効率の向上をはかるという技術システムの下では、組織の学習効果にも合致する面があり、生産面から見てもそれなりに合理的だった。
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また、日本の社会の資本ストックが乏しく住宅などの生活インフラが不足していた発展途上段階では、長い期間企業で勤め上げればやがて住宅が持てるという意味でも社会的な合理性があった。