戦後、財産税・相続税・固定資産税のために彼らは土地を持っていることができなくなり、大きな土地は細かく分割されていった。土地の需要者側にも原因がある。住宅の都市部から郊外への移転、一区画当たり面積の狭小化、郊外マンションの増加の原因は、日本の人口の増加、とりわけ都市部近郊への人口集中だと思う。昭和四〇年代に入って分譲地・分譲住宅の開発が盛んになったが、地価上昇の結果、住まいは都心から離れた場所になり、分譲面積はどんどん小さくなる。土地つき住宅に住めない人たちのために、都市部郊外マンションが林立した。こうした中、いつしか「土地神話」という言葉が使われるようになった。「地価は下がるわけがない」「土地を持っていれば損はない」という神話だ。いま買わないと値上がりして将来買えなくなる、という心配もあった。だから、地方出身の若者が都会に働きに来ると、そのまま住みつづけるために、住宅ローンの助けを借りて、無理をして家を持った。国民の認識は、「土地は所有するもの」というものに変わった。だれもが、たとえ狭小な分譲住宅やマンションでも、とにかく「自分の家」にこだわった。
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